まず、魚を締めなければいけない前提の理由として2 つ挙げられます。
1 つ目は、魚は暴れたりストレスを感じる状態が長く続くほどATP が減り、味が落ちて不味くなる現状があります。
2 つ目として、締める工程がない場合、魚は必然的に暴れまわり体をあちこちぶつけます。結果、身割れやうっ血が起こり、味が落ちる原因となりますので、素早く締める必要があります。
次に、「締め方」についてご説明します。
(1)活〆
活〆とは、魚のエラから脳天向けて〆包丁により締めて血抜きを行い、魚の鮮度を保つことを言います。活〆によって下記の効果があります。
①ATP が減るのを遅らせることができます。
②微生物の増殖を遅らし、腐敗を抑制できます。
(2)神経締め
神経締めとは、活締めした魚の脊髄にある神経が通っている穴に針金を通して神経を壊すことです。神経締めをしない場合、活締め後、30 分前後で脊髄神経が痙攣を起こし、魚が動き出してしまいます。それを抑えるために神経締めを施します。また、神経締めによって「活締め」の効果にプラスして下記の効果があります。
①死後硬直までの時間を遅らせることができます。
②神経を壊すことでATP の減りが活締めよりもより先延ばしにすることができます。
以上が違いとなります。
ご注意
別途、誤解のないよう1 点お言葉を添えさせて頂きます。例えば、「熟成」は死後硬直後からATP が分解されて旨味成分に変わることで可能な調理法となります。いわゆる 寝かせて旨味を出す という状態です。つまりは、魚の死後硬直は必ず起きるものであり、それ自体は悪いことではないということだけ覚えて頂けると幸いです。
こもこもS hop で実施する上記の締め方はいずれも、野締め 魚を冷たい海水氷に入れて凍死させ、最低限の鮮度は保たつ方法 と異なり、食中毒対策をした上で鮮度良くお届け可能ですのでご安心ください。